『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
確かに面白かったし、バトルシーンの動きは白眉だし、こりゃさまざまな層に刺さるわけだな〜萌えポイントてんこ盛りだもんな〜とも思ったけど、肝心の自分自身が熱狂できてなくてなんかもったいない気持ちになっている。SNSの評判の記憶を消してもっかい観たい(SNSの評判がなければそもそも自分は観に行っていないのでは?) というか自分はゲゲゲの鬼太郎じたいに疎くて、もともとの鬼太郎の生い立ちをちゃんと覚えてないからうまく飲み込めなかったのかも。後半ずっと「いつかどこかで読んだ記憶はあるんだけど……」って思い出そうとする作業に脳のリソースの一部を食われてた。まじでもったいないな。 なんかネガティブな書き方になったけど満足してます。本当に面白かったよ! SNSに見られるような沸点ぶち抜き系の熱狂に至れなかっただけ! それで勝手に罪悪感覚えてんだからやっぱりわたしはSNSから離れるべきなんだろう。
自分の中で整理するために『鬼太郎誕生』の萌え要素を列挙します(?) - 傷跡持ちで片耳の欠けた胡乱な目つきのタバコ呑み銀行員(←この時点で萌え要素の幕の内弁当すぎる)
- 時代を感じる少しダボめの背広
- 鼻血
- 血まみれの笑顔
- 背広と重い刃物
- 背広と銃器
- 着流しを肩から滑り落とすように脱いで着替える一連の動作
- 過去の経験からの悪夢による汗だくでの起床
人間離れした身体能力の持ち主が隙なくスーツを着こなして、そつなく戦うのも好きなんだけど、特異な能力があるわけでもない――あるとすれば平均よりも体が丈夫というくらいの――いわゆる《普通》寄りの社会人が、普段の仕事着としてのスーツを着たうえで凶悪な武器を携えてるのもまた"良い"ですね。好んで武器を手にするのではなく、流されるまま気がついたらこうなっていたみたいな途方に暮れた顔をしているとなおのこと"良い"です。